プリンや茶碗蒸しを作ろうとレシピを開いたら、「濾し器で濾す」という一文。
そんなもの、うちのキッチンには見当たらない……と、手が止まってしまったことはありませんか。
わざわざ買いに行くほどでもないけれど、濾さずに作ったら口当たりが悪くなりそうで、なんだか気が進まないですよね。
でも、안心してくださいね。
濾し器は、キッチンにある身近な道具でじゅうぶんに代わりを務められます。
茶こしやざる、キッチンペーパーなど、すでにお持ちのもので驚くほどなめらかに仕上がるのですよ。
大切なのは、「何を濾したいか」に合わせて道具を選ぶこと。
この記事では、代用に使える7つの道具と、料理別の選び方、失敗しないためのちょっとしたコツをやさしくお話ししていきますね。
読み終えるころには、わざわざ買い足さなくても大丈夫と思っていただけるはずですよ。
この記事でわかること
- 濾し器の代わりになる身近な7つの道具と、それぞれが向いている場面
- 料理ごとに「網目の細かさ」と「素材の強さ」で選び分けるコツ
- 熱い液体や揚げ油を濾すときの道具選びと、紙や布を使うときの注意点
- 100円ショップで代用品を選ぶときに確認したい大きさと素材のポイント
濾し器は身近にある7つの道具で代用できる

濾し器が手元になくても、茶こし・ざる・粉ふるい・キッチンペーパー・コーヒーフィルター・ガーゼ・清潔な布の7つでたいていの場面はまかなえます。
専用の道具を買い足さなくても、キッチンにあるもので十分に代わりを務めてくれるのですね。
大切なのは「何を濾したいか」に合わせて道具を選ぶことで、そこさえ押さえれば仕上がりはぐっときれいになりますよ。
まずは、それぞれの道具がどんな場面に向いているのかを一覧で見てみましょう。
| 代用品 | 網目の細かさ | 向いている作業 |
|---|---|---|
| 茶こし | 細かい | 卵液、だし、少量の液体 |
| ざる | 粗い〜中程度 | ゆで汁切り、大きめの具の分離 |
| 粉ふるい | 細かい | 粉類、なめらかにしたい液体 |
| キッチンペーパー | とても細かい | 油の濾過、細かな濁り取り |
| コーヒーフィルター | とても細かい | 少量の澄んだ液体づくり |
| ガーゼ | 細かい | 水切り、搾る作業 |
| 清潔な布(さらしなど) | 細かい | 豆乳やジュースの搾り出し |
どれも特別なものではなく、ふだんの引き出しに眠っているものばかりだと思います。
茶こしは少量の卵液やだしを濾すのに便利
茶こしは、少量の液体をなめらかにしたいときにいちばん出番の多い代用品です。
網目が細かく、しかも小ぶりなので、片手で持ちながらさっと濾せる手軽さがあります。
たとえば茶碗蒸しやプリンの卵液を濾すと、カラザや溶け残りが取り除かれて、口当たりがなめらかに仕上がります。
だしをとったあとに残る細かいかつお節のかけらを取り除きたいときにも、ちょうどよい細かさですね。
茶こしが活躍しやすい場面をまとめると、次のようになります。
- 茶碗蒸しやプリンの卵液をなめらかにする
- だしの細かなかすを取り除く
- 果汁の種や果肉を分ける
- 粉砂糖やココアを少量ふりかける
- 味噌を溶かすときに固まりをほぐす
ただし、一度に大量の液体を通すのには向いていません。
受け皿から溢れたり、網目が詰まって時間がかかったりするので、使うのは一〜二人分くらいまでと考えておくと失敗が少なくなります。
ざると粉ふるいは量や網目に合わせて使い分ける
ざると粉ふるいは、濾したい量と求める細かさで選び分けるのがこつです。
ざるは口が広くて容量があるので、鍋いっぱいのゆで汁を切ったり、スープから大きめの具を取り出したりする作業に向いています。
一方の粉ふるいは網目が細かく、ざるでは通り抜けてしまう細かなものまで受け止めてくれます。
裏ごしに近い作業をしたいときは、粉ふるいのほうが仕上がりに差が出ますよ。
| 比べるところ | ざる | 粉ふるい |
|---|---|---|
| 網目 | 粗めのものが多い | 細かい |
| 一度に扱える量 | 多い | 少なめ |
| 得意な作業 | 水気を切る、具を分ける | なめらかにする、粉をほぐす |
| 使う場面の例 | ゆで野菜、麺、豆類 | スープ、ソース、粉類 |
もし手持ちのざるでは網目が粗すぎると感じたら、ざるの上にキッチンペーパーやガーゼを重ねるだけで細かさを補えます。
道具を組み合わせる発想を持っておくと、選択肢がぐんと広がりますね。
キッチンペーパーとコーヒーフィルターは細かな濾過に向く
より澄んだ仕上がりを目指すなら、キッチンペーパーとコーヒーフィルターが頼りになります。
紙の繊維がとても細かいので、金属の網では通り抜けてしまう小さな粒子まで受け止めてくれるのです。
使い方は難しくなく、ざるやドリッパー、あるいはコップの口に紙を広げてのせ、液体をゆっくり注ぐだけです。
揚げ物のあとの油をきれいにしたいとき、澄んだスープを作りたいとき、手作りジュースの濁りを取りたいときなどに向いています。
それぞれの使い分けは次のとおりです。
- キッチンペーパー…広げて好きな大きさに使えるため、大きめのざるにも合わせやすい
- コーヒーフィルター…袋状で液体がこぼれにくく、少量をていねいに濾すのに向く
ただし、紙はどうしても水分を含むと弱くなります。
一度にたくさん注ぐと破れて中身がこぼれてしまうので、少しずつ、あせらず注ぐことを心がけてくださいね。
また、キッチンペーパーには厚手のものや不織布に近いものなど種類がありますので、水に濡れても崩れにくいタイプを選んでおくと安心です。
ガーゼと清潔な布は水切りや搾る作業に使いやすい
ガーゼやさらしなどの清潔な布は、濾すだけでなく「搾る」作業ができる点が大きな強みです。
紙と違って引っ張っても破れにくいので、両手でぎゅっとひねって水分を出し切ることができます。
水切りヨーグルトを作るとき、豆乳やナッツミルクを搾るとき、大根おろしの水気を切るときなど、活躍の場は意外と多いものです。
使うときの流れはこんなイメージです。
- 布を清潔に洗い、しっかり乾かしておく
- ざるやボウルの上に布を広げてかぶせる
- 濾したいものを中央にのせる
- 布の四隅を持ち上げてまとめる
- ゆっくりねじりながら搾る
布は繰り返し使えるので、日常的に濾す作業が多い方にはとくに向いていますね。
一方で、においや色が移りやすいという面もあります。
使い終わったらすぐに洗って乾かす、料理用と掃除用を分けておく、といった小さな心がけが長持ちにつながりますよ。
このように7つの道具にはそれぞれ得意分野がありますので、まずは手元にあるものから試してみるところから始めてみてください。
料理に合わせて代用品の網目と素材を選ぶ
代用品を選ぶときのポイントは、「網目の細かさ」と「素材の強さ」の2つだけです。
なめらかさを求める料理なら網目が細かいもの、力を加えて押し出す料理なら丈夫なものを選ぶ、と覚えておくと迷いにくくなりますよ。
同じ「濾す」でも、卵液を整える作業と、かぼちゃをつぶして裏ごしする作業では、道具に求められる役割がまったく違います。
まずは料理ごとの目安を、ざっとまとめておきますね。
| 料理の種類 | 向いている網目 | 向いている素材 |
|---|---|---|
| プリン・茶碗蒸しの卵液 | 細かい | 金属(茶こし・粉ふるい) |
| スープ・だし | 中くらい〜細かい | 金属+紙や布を重ねる |
| ジュース・豆乳 | とても細かい | 布・紙 |
| いも類・栗の裏ごし | 中くらい | 丈夫な金属のざる |
| ヨーグルトの水切り | 目の細かさより通気 | 布・キッチンペーパー |
プリンや茶碗蒸しの卵液には茶こしや粉ふるいが適している
卵液をなめらかに仕上げたいときは、目の細かい茶こしや粉ふるいが頼りになります。
卵液には、カラザと呼ばれる白いひも状の部分や、混ぜきれなかった白身のかたまりが残っていることがあります。
これらがそのまま残ると、火を通したときに口当たりがざらついたり、表面に白いすじが出てしまったりするのですね。
茶こしは片手で持てる大きさなので、ボウルの上でくるくると動かしながら少しずつ流し入れられます。
粉ふるいは受け口が広く、一度に扱える量が多いため、プリンを何個も作るときに向いていますよ。
使うときのコツはこちらです。
- 卵液は泡立てず、切るように混ぜてから濾す
- 茶こしに残ったものはスプーンの背で軽く押さえる程度にする
- 網に固形物がたまったら一度取り除いてから続ける
むりに押し込むと網の目が広がってしまいますので、やさしく通す意識で扱ってあげてくださいね。
スープ・だし・ジュース・豆乳は仕上げたい透明度で選ぶ
液体を濾すときは、どのくらい澄ませたいかで道具を決めると失敗が減ります。
「かつお節や野菜の大きなくずが取れればいい」のか、「向こう側が透けるくらい澄ませたい」のかで、必要な網目がまったく変わってくるからです。
目安としては、次のように考えてみてください。
| 仕上げたい状態 | 選ぶ道具 | 向いている料理 |
|---|---|---|
| 大きなくずが取れればよい | ざる、水切りかご | 具だくさんのスープ、野菜のゆで汁 |
| 少し澄ませたい | 茶こし、目の細かいざる | ふだんのみそ汁用のだし |
| しっかり澄ませたい | ざるにキッチンペーパーや布を重ねる | お吸い物、コンソメ、果汁 |
| とろみや繊維も取り除きたい | 目の詰まった布 | 手作り豆乳、ナッツの飲みもの |
お吸い物のように見た目の美しさが味の印象を左右する料理では、ざるだけでは細かい濁りが残ってしまいます。
そんなときはざるの上に紙や布を重ねる二段構えにすると、家庭にあるもので十分きれいに仕上がりますよ。
反対に、根菜のポタージュなどは多少の繊維が残ったほうが味に厚みが出ますので、細かすぎる道具を選ばなくても大丈夫です。
透明度を上げようとするほど時間がかかりますから、料理の仕上がりと手間のバランスで決めていきましょう。
じゃがいも・かぼちゃ・栗の裏ごしには丈夫なざるを使う
いも類や栗の裏ごしには、枠がしっかりした金属製のざるを選んでください。
この作業だけは、液体を通すのとは違って道具に強い力がかかります。
やわらかくゆでた食材とはいえ、押し付けて網の目から押し出すわけですから、薄い網や樹脂製の細い枠では変形してしまうことがあるのですね。
選ぶときは、次の点を見てみてください。
- 網と枠のつなぎ目がしっかり固定されている
- 手で軽く押しても網がたわみすぎない
- 網目が細かすぎず、中くらいの大きさである
- ボウルのふちに安定して置ける大きさ
網目が細かすぎると食材が通らず、力ばかり必要になってしまいます。
スイートポテトやかぼちゃのサラダ、栗きんとんなど、家庭のお菓子や常備菜であれば中くらいの目で十分なめらかになりますよ。
押し出すときは木べらやゴムべらの背を使い、網に対してまっすぐ、押し付けるというより滑らせるように動かすと通りやすくなります。
食材があたたかいうちのほうがやわらかくて作業が楽ですから、ゆで上がったら冷めきる前に取りかかるのがおすすめです。
ヨーグルトの水切りには布やキッチンペーパーが使いやすい
ヨーグルトの水切りは、網目の細かさよりも水分だけをゆっくり通す素材かどうかが大切になります。
金属の網では乳固形分まで一緒に落ちてしまったり、逆に網に張り付いて取り出しにくかったりするのですね。
その点、布やキッチンペーパーは水分をじわじわと吸い出しながら、なめらかな部分をしっかり受け止めてくれます。
仕上がりの目安は、置いておく時間で調整できます。
| 置く時間の目安 | 仕上がり | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 短め | とろりとした状態 | ソース、ドレッシング |
| 中くらい | クリーム状 | ディップ、パンに塗る |
| 長め | しっかりかたまった状態 | お菓子作りの生地 |
ざるをボウルに重ね、その上に布や紙を敷いてヨーグルトを入れ、冷蔵庫に入れておくだけで進みます。
常温に長く置くのは避けて、必ず冷蔵庫の中で水を切るようにしてくださいね。
下にたまった液体は捨てずに、飲みものやパン生地に混ぜて使うこともできますよ。
このように、料理ごとに求められるものが分かってくると、手元の道具でどう組み合わせるかが自然と見えてきます。
代用品でも滑らかに仕上げるには少量ずつ濾す

代用品で濾すときにいちばん大切なのは、一度にたくさん入れず、少しずつ分けて通すことです。
専用の濾し器に比べると網の面積が小さかったり、支えが弱かったりするので、量が多いとあふれたり目が詰まったりしやすいのですね。
ほんの少しの手間ですが、この進め方を守るだけで、代用品でも驚くほどなめらかに仕上がりますよ。
道具をボウルに固定してから食材を流し入れる
まず整えたいのが、濾している間に道具が動かない状態をつくることです。
片手で道具を持ち、もう片方の手で鍋を傾ける、という体勢はどうしても不安定になります。
手元がぶれると液体がボウルの外へ流れたり、せっかく分けた固形物が落ちてしまったりするのですね。
受け皿になるボウルは、口が広めで深さのあるものを選ぶと安心です。
安定させるための工夫をいくつか挙げてみますね。
- ボウルの下に濡らしたふきんを敷いて、滑りを止める
- ざるや網は、ボウルの縁にしっかり引っかかる大きさを選ぶ
- 布やキッチンペーパーを敷くときは、縁から少し垂らして洗濯ばさみで留める
- ボウルと網の底が接していないか確認し、たまった液体に浸からない高さにする
- 作業する台の高さを見直し、腕に力が入りすぎない位置にする
とくに受け皿の底と網が接していると、落ちた液体が逆戻りしてしまうので気をつけてくださいね。
両手が自由になると、注ぐ速さも自分で調整できるようになります。
固形物やアクを先に取り除いて目詰まりを防ぐ
次に意識したいのが、濾す前のひと手間です。
大きな固形物やアクが混ざったまま流し込むと、あっという間に網の表面がふさがれてしまいます。
そうなると液体が落ちなくなり、上から押したくなって、結局にごりが混ざってしまうのですね。
お玉やスプーンで浮いているものをすくっておくだけでも、通り道はぐんと確保されます。
| 濾すもの | 先に取り除きたいもの | ひと手間の方法 |
|---|---|---|
| だし | かつお節や昆布のかたまり | 菜箸でつまみ上げてから注ぐ |
| スープ | 浮いたアクや野菜の皮 | お玉で表面をすくう |
| 果物のソース | 種や皮、大きな繊維 | スプーンで軽くよけておく |
| ゆで野菜 | ゆで汁 | いったんざるにあけて水気を切る |
また、途中で流れが悪くなったら、いったん手を止めて網の裏側を軽くたたくのも効果的です。
裏についた細かなかすが落ちて、また通りやすくなりますよ。
それでも詰まったままなら、思い切って一度洗い流したほうが、結果的に早く終わることが多いものです。
液体は自然に落とし、裏ごしはへらやスプーンで押す
濾し方は、液体を分けたいのか、食材そのものをなめらかにしたいのかで正反対になります。
だしやスープのように澄んだ液体をとりたいときは、待つのが正解です。
急いで押してしまうと、細かなかすが一緒に押し出されて、せっかくの透明感がにごってしまいます。
澄ませたい液体は、絶対に上から押さないと覚えておいてくださいね。
反対に、かぼちゃや豆などを裏ごししたいときは、しっかり力を伝える必要があります。
| 目的 | 基本の動き | 使う道具 |
|---|---|---|
| 澄んだ液体をとる | そのまま置いて落ちきるのを待つ | ざる、布、紙 |
| 食材をなめらかにする | 網に押し付けて通す | ゴムべら、木べら、スプーンの背 |
| 水分だけ軽く切る | 数回ゆすって落とす | ざる、水切りかご |
スプーンを使う場合は、ふちではなく丸い背の部分をあてると、網を傷めにくくなります。
力任せに一点を押すのではなく、少しずつ場所を変えながら進めるのがこつですね。
そして、網の裏側についた分も貴重ですから、最後にへらでこそげ取って加えてください。
より滑らかにしたいときは網目を変えて二度濾す
一度濾しただけでは物足りないと感じたら、網目の大きさを変えて二回通す方法があります。
いきなり細かい網に通そうとすると、すぐに詰まってしまい、時間ばかりかかってしまうのですね。
先に粗い網で大きなものを取り除いておけば、二回目はすんなり通ってくれます。
- ざるなど粗い網で、大きな固形物や皮、種を取り除く
- 受け皿にたまったものを、いったん軽く混ぜてなじませる
- 茶こしや布など細かい素材に替えて、少量ずつ流し入れる
- 残ったかすは無理に押さず、そのまま取り除く
この二段構えは、なめらかなプリンの生地やポタージュ、赤ちゃんの離乳食づくりなどで力を発揮します。
二回目に使う道具は、一回目とは別のものを用意しておくと、洗う手間が省けて流れが止まりません。
ただし、何度も濾せば濾すほどよいというわけでもありません。
回数を重ねるほど量が減っていきますし、料理によっては少し繊維が残っているほうがおいしく感じられることもあります。
お菓子のように口当たりが決め手になるものは丁寧に、家庭の煮物やスープならほどほどに、と使い分けてみてくださいね。
仕上がりを味見しながら、ご自身が心地よいと思える加減を見つけていくのがいちばんですよ。
熱い液体や揚げ油には耐熱性のある道具を優先する
熱いものを濾すときは、金属製の道具を第一に選ぶと考えていただくと迷いません。
ステンレスの茶こしやざる、金属のあみじゃくしなどは、熱い液体や油に触れても形が変わりにくく、안心して使えるのですね。
反対に、キッチンペーパーやガーゼ、樹脂製のざるなどは、温度によっては傷んでしまうことがありますから、使う前にひと呼吸おいて確認しておきたいところです。
ここでは、温かい料理と揚げ油、それぞれの場面での道具選びと、やけどを防ぐための扱い方をお話ししますね。
温かいスープやだしには金属製の茶こしやざるを使う
できたてのスープやだしを濾すときは、ステンレスなどの金属製の茶こしやざるが扱いやすいです。
熱で変形したり、においが移ったりしにくいので、次に使うときも気持ちよく使えるのですね。
かつお節や煮干しからとっただしは、細かなかすが残りやすいものです。
金属の網目なら熱いままでも通せますから、冷ますのを待たずに次の工程へ進めます。
受ける側の器も、耐熱のガラス製やステンレスのボウル、あるいは鍋そのものを使うと安心ですよ。
| 道具 | 熱いものへの向き | 使うときのひとこと |
|---|---|---|
| ステンレスの茶こし | 向いている | 持ち手が短いものは布巾を添えて |
| ステンレスのざる | 向いている | 粗い網目なので下ごしらえ向き |
| 金属のあみじゃくし | 向いている | 浮いたあくや小さなかす取りに |
| 樹脂製のざる | 温度の確認が必要 | 表示された耐熱の目安を守る |
樹脂製の道具にも耐熱に配慮したものはありますが、表示されている温度の目安を必ず見てから使ってくださいね。
沸騰直後の液体は思っている以上に高い温度ですから、少し火から下ろして落ち着かせてから注ぐと、道具にも手にもやさしいです。
揚げ油は耐熱容器と目の細かい金属製の網を組み合わせる
揚げ物のあとの油を濾すときは、受ける容器も網も、どちらも耐熱のものでそろえてください。
片方だけ耐熱でも、容器が熱に負けてしまえば油がこぼれてしまいます。
組み合わせの目安をまとめますね。
- 受ける容器…金属製の缶や鍋、耐熱のガラス容器
- 濾す道具…目の細かい金属製の茶こし、または金属のざるに油濾し用の紙を重ねたもの
- 下に敷くもの…新聞紙やトレー(こぼれたときの受け止め用)
手順としては、次のように進めるとゆったり作業できます。
- 揚げ終わったら火を止め、油がほどよく冷めるまで待つ
- 受ける容器を平らな場所に置き、上に金属製の網を安定させる
- 鍋を両手で持ち、細く静かに注ぎ入れる
- 底に残った揚げかすは、無理に流し込まず最後に取り除く
熱いうちのほうが油はさらさらと通りますが、やけどの危険が高くなりますので、少し落ち着いてからのほうが結果的に手早く終わりますよ。
ペットボトルなどの飲料容器を受け皿にするのは避けてくださいね。
熱に耐えられずに変形してしまい、思わぬことになりかねません。
紙や布は耐熱温度と使用上の注意を確認する
キッチンペーパーやコーヒー用の紙、ガーゼやさらしといった素材も濾すのに使えますが、熱いものに使うときは少し気を配りたいところです。
紙は水分と熱を含むともろくなり、途中で破れて中身が落ちてしまうことがあるのですね。
使うときは、次のような工夫をしてみてください。
- 紙は二枚重ねにして、金属のざるや茶こしで下から支える
- 布は綿など天然素材のものを選び、あらかじめ湯通ししておく
- 「電子レンジ可」「油濾し用」など、用途の記載があるものを選ぶ
- 柔軟剤や香りのついた洗剤で洗った布は、においが移るので使わない
油濾し専用としてつくられた紙も市販されています。
そうした品は油に対応した設計になっていますから、パッケージに書かれた使い方をそのまま守っていただくのがいちばん安心ですよ。
なお、紙や布そのものの扱い方や衛生面については、このあとの章でもう少し詳しくお話ししますね。
熱い食材を扱うときは道具のずれや飛び散りに気をつける
熱いものを濾す場面でいちばん気をつけたいのは、道具がずれて中身がはねることです。
茶こしが容器のふちに引っかかっているだけの状態だと、注いだ勢いで動いてしまうことがあります。
安定させるための小さな工夫を挙げますね。
| 気になる場面 | ひと工夫 |
|---|---|
| 茶こしがぐらつく | ふちに引っかける形のものを選び、片手で軽く押さえる |
| 容器が滑る | 下に濡らした布巾を敷いて動きを止める |
| 手が熱い | 厚手の鍋つかみや乾いた布巾を使う |
| 一気に入れてあふれる | 数回に分けて、様子を見ながら注ぐ |
布巾は必ず乾いたものを持ち手に使ってください。
濡れた布巾は熱をそのまま伝えてしまいますから、かえって危ないのですね。
また、作業する場所も大切です。
調理台の手前にものが散らかっていると、鍋を持ったときに肘がぶつかってしまうことがあります。
濾しはじめる前に、まわりを少し片づけて、受ける容器と道具を先にきちんと組み立てておく。
この準備だけで、あわてずに落ち着いて進められますよ。
小さなお子さんやペットが近くにいるときは、離れてもらってから始めると、なお安心ですね。
紙や布の代用品は破れと衛生面に注意して使う

キッチンペーパーやコーヒーフィルター、ガーゼといった紙や布の代用品は、「支えを作ること」と「清潔なものを使うこと」の二点さえ守れば、とても頼りになる存在ですよ。
紙も布も、水分を含むと想像以上にやわらかくなって、支えがないところに液体の重みがかかると破れてしまうのですね。
また、直接口に入るものに触れる道具ですから、においや汚れが残っていないかどうかも、あわせて気にかけていただきたいところです。
ここでは、素材ごとの扱い方と衛生面の心づかいを、ひとつずつお話ししますね。
キッチンペーパーはざるに重ねて支える
キッチンペーパーを使うときは、必ずざるや茶こしの上に重ねて、下から支えてあげてください。
ペーパー一枚をボウルの上に渡して輪ゴムで留めるやり方もありますが、こちらは液体がたまった瞬間に中央が沈み込んで、そのまま裂けてしまうことがあるのですね。
ざるの内側に沿わせるように敷いておけば、重みが網全体に分散されますから、破れにくくなりますよ。
敷くときのちょっとしたコツをまとめますね。
- ざるの内側にぴったり沿わせ、浮いた部分を作らない
- 先に少量の水や煮汁で湿らせると、ざるに密着して動きにくくなる
- ふちからはみ出した部分は外側に折り返しておく
- 厚手のタイプを選ぶか、薄手なら二枚重ねにする
キッチンペーパーには、水に強いタイプと、やわらかくて吸水性を重視したタイプがあります。
濾す作業に向いているのは、水に濡れても形が崩れにくい厚手のものです。
また、エンボス加工の細かい凹凸があるものは、液体が通る道ができやすく、目づまりしにくい傾向がありますよ。
途中でペーパーが目づまりしてきたら、無理に押し込まず、新しいものに取り替えるほうがきれいに仕上がります。
なお、キッチンペーパーは食品に触れる用途を想定した製品かどうか、パッケージの表示を確認してから使ってくださいね。
コーヒーフィルターには一度に多く注がない
コーヒーフィルターは目が細かくて澄んだ仕上がりになりますが、一度にたくさん注ぐと、ふちからあふれたり底が抜けたりします。
紙の折り目の部分は、もともと接着されているだけですから、水圧がかかると開いてしまうことがあるのですね。
ですから、フィルターの高さの半分より下を目安に、少しずつ注ぎ足していくのが安心です。
使うときの流れを整理しておきますね。
- 底と側面の折り目をきちんと折ってから開く
- ドリッパーや茶こし、小さめのざるにはめて支える
- 受ける容器を下に置き、安定しているか確かめる
- フィルターの半分より下まで注ぎ、落ちきってから次を注ぐ
コーヒーフィルターは目が細かいぶん、落ちるまでに時間がかかります。
早く終わらせたくてスプーンで押したくなりますが、押すと繊維がゆるんで、濁りや紙の繊維が混ざる原因になりますから、そっと待ってあげてくださいね。
それから、コーヒーを淹れたあとのフィルターを洗って再び使うのは避けましょう。
紙は一度使うと繊維がゆるみますし、においも残りやすいのですね。
ガーゼや布は清潔でにおいや毛羽立ちの少ないものを選ぶ
布を使うときは、調理専用に分けた清潔なものを用意していただくのがいちばんです。
ふきんとして使っていた布は、洗剤や柔軟剤のにおいが残っていることがあり、それが料理に移ってしまうことがあるのですね。
選ぶときの目安を表にまとめますね。
| 見るところ | 選び方の目安 |
|---|---|
| におい | 柔軟剤や洗剤の香りが残っていないもの |
| 毛羽立ち | 表面が起毛していない、織りの詰まったもの |
| 色 | 色移りの心配がない、白や生成りのもの |
| 厚み | 薄手のガーゼなら二〜三枚重ね、さらしなら一〜二枚 |
| 使い分け | 掃除用と混ざらないよう、調理専用にしておく |
新しいガーゼやさらしは、使う前に一度洗って、糊や余分な繊維を落としておくと安心ですよ。
さっと水洗いして、しっかり絞ってから広げれば準備完了です。
使ったあとは、食材の油分やたんぱく質が残らないよう、なるべく早く洗ってください。
ぬるま湯で下洗いしてから洗剤で洗い、風通しのよい場所で完全に乾かします。
生乾きのまましまうと、においや汚れの原因になりますから、乾ききってから収納してくださいね。
何度か使って毛羽立ってきたり、落ちない色がついたりしたら、料理用としては役目を終えたと考えて、掃除用に回すのがよいと思いますよ。
離乳食には洗浄しやすく用途を分けた道具を使う
離乳食づくりでは、洗いやすく、乾かしやすく、大人用と分けて管理できる道具を選んでいただくと安心です。
布は繊維の奥に汚れが入り込みやすく、完全に洗い流せたかどうかが目で確かめにくいのですね。
その点、紙は使い切りですし、金属やプラスチックの道具は洗った状態がひと目でわかります。
選ぶときの考え方を並べておきますね。
- 使い切りにできる紙のタイプを、そのつど新しいものにする
- 繰り返し使うものは、継ぎ目や網の付け根が少ない形を選ぶ
- 離乳食用と大人用の道具を分けて、収納場所も分けておく
- においの強い料理に使った道具は、離乳食に使い回さない
- 使ったあとはすぐに洗い、しっかり乾かしてからしまう
網目のある道具は、付け根の部分に食材が残りやすい場所です。
やわらかいブラシで裏側からもこすって、水を通したときにまっすぐ流れるかを確かめると、きれいになっているかがわかりますよ。
お手入れの方法は、道具によって適した温度や洗い方が決まっています。
熱湯をかけてよいものか、食器洗い乾燥機に入れてよいものかは、購入したときの表示にしたがってくださいね。
小さなお子さんのものだからこそ、無理をせず、扱いやすい道具を選んでいただくのがいちばんだと思いますよ。
食材の量に合わせると時間と手間を抑えられる
濾す道具を選ぶときは、これから濾す食材の量に合わせて大きさを決めていただくと、いちばん手早く仕上がりますよ。
少ない量に大きな道具を使うと洗い物が増えますし、多い量に小さな道具を使うと何度も繰り返すことになって時間がかかってしまうのですね。
ここでは、量に応じた選び方と、途中で流れが悪くなったときの立て直し方をお話ししますね。
まずは、おおよその目安を表にまとめてみました。
| 食材の量 | 向いている代用品 | ひとこと |
|---|---|---|
| 小さじ〜大さじ数杯ほど | 茶こし | 片手で持てて、そのまま器の上で使える |
| カップ1杯ほど | 茶こし、紙のフィルター | 受ける容器を安定させると手が空く |
| カップ2〜3杯ほど | 小さめのざる、キッチンペーパーを重ねたざる | 数回に分けると詰まりにくい |
| 鍋いっぱいの量 | 大きめのざる、清潔な布 | 大きめのボウルとセットで用意する |
少量なら茶こしやコーヒーフィルターを選ぶ
だしを少しだけ取り分けたいときや、卵液をなめらかにしたいときのようなほんの少しの量であれば、茶こしがいちばん扱いやすいと思いますよ。
片手で持ったまま、器の上に直接かざして使えますから、道具を組み立てる手間がいらないのですね。
洗うのも小さな網ひとつで済みますので、後片づけまで含めると、いちばん早く終わる方法だと思います。
もう少しきめ細かく濾したいときは、紙のコーヒーフィルターが役に立ちますよ。
ただ、紙は液体が通り抜けるまでに時間がかかりますから、急いでいるときには向かないことも覚えておいてくださいね。
少量を濾すときのちょっとしたコツを並べておきますね。
- 受ける器は、口が広くて安定したものを選ぶ
- 茶こしの縁を器のふちに引っかけると、両手が空く
- 紙のフィルターは、あらかじめ水でぬらしておくと形が崩れにくい
- 最後の一滴まで待たず、ある程度落ちたら切り上げる
大量なら大きめのざるや布を使う
鍋いっぱいのスープや、まとめて作っただしのように量が多いときは、思いきって大きめのざるを使っていただくほうが結果的に早く終わりますよ。
小さな道具で少しずつ濾していると、何度も持ち替えることになりますし、そのたびに液体が冷めてしまうのですね。
大きなざるに清潔な布を敷いておけば、粗い部分と細かい部分を一度に受け止められますので、二度手間になりません。
このとき気をつけていただきたいのが、受ける容器の大きさです。
濾したい量よりもひとまわり大きい容器を用意しておかないと、途中であふれてしまってあわてることになります。
また、ざるの底と液面が接してしまうと流れが止まりますから、ざるの脚が高いものを選ぶか、容器との間に少しすき間ができるように置いてくださいね。
量が多いときの準備を、順番にまとめておきますね。
- 濾したい量よりも大きな容器を、水平な場所に置く
- その上にざるをのせ、ぐらつかないか確かめる
- 必要であれば布や紙を敷き、ふちからずり落ちないよう整える
- 端のほうから、静かに流し入れていく
目詰まりしたら表面の固形物を取り除く
濾している途中で液体の落ちが悪くなったら、網の上にたまった固形物を取り除いてあげると、また流れが戻りますよ。
落ちなくなる原因の多くは、網目そのものではなく、上に積もった細かい粒が層になって道をふさいでいることなのですね。
ですから、スプーンやゴムべらで表面をそっとすくい取るだけで、驚くほど流れがよくなることがあります。
このとき、網を強くこすって固形物を押し広げるのは避けてください。
押し広げてしまうと、粒が網目の中に入り込んで、かえって取れにくくなってしまうのですね。
流れが悪くなったときの見直しどころを挙げておきますね。
- 表面にたまった固形物を、そっとすくい取る
- 裏側に液体がたまっていないか、容器の水位を確かめる
- 布や紙がよれて重なっていないか、ふちを整える
- それでも落ちなければ、新しい紙や布に取り替える
紙のフィルターの場合は、途中で交換してしまったほうが早いことも多いですよ。
一枚を最後まで使い切ろうとするより、思いきって替えるほうが、待ち時間が短くて済むのですね。
急いで強く押し込まず数回に分けて濾す
早く終わらせたい気持ちから、上からぐいぐい押してしまいたくなりますが、押し込むほど流れは遅くなるものなのですよ。
力を加えると固形物が押しつぶされて密になり、網目のすき間がふさがれてしまうからなのですね。
それに、無理な力をかけると布が破れたり、紙が裂けたりして、せっかく濾したものに濁りが混ざってしまうこともあります。
ですから、一度に全部を入れず、三回から四回に分けて注ぐようにしてみてくださいね。
一回分が落ちきってから次を注げば、網の上に厚い層ができにくく、待つ時間も結果的に短くなりますよ。
どうしても最後の分をしぼりたいときは、布の四隅を持ち上げて軽くねじる程度にとどめてください。
強くしぼると、雑味やえぐみのもとになる成分まで一緒に出てくることがありますから、澄んだ味に仕上げたいときはそっと扱うのがおすすめです。
時間を短くするためにできることを、まとめておきますね。
| やりがちなこと | おすすめの進め方 |
|---|---|
| 一度に全部流し入れる | 三、四回に分けて、落ちきってから次を注ぐ |
| 上からへらで押しつける | 表面の固形物をすくい取って道をあける |
| 布を強くしぼりきる | 四隅を持って、軽くねじる程度にとどめる |
| 詰まった紙を使い続ける | 早めに新しいものへ取り替える |
濾す作業は、待っている間にほかの下ごしらえができますから、そばに立って見張らなくても大丈夫ですよ。
火の元だけ気をつけていただいて、ゆっくり落ちるのを待つくらいの気持ちで進めていただくと、仕上がりもきれいになりますし、気持ちにも余裕が生まれると思いますよ。
網目と素材によって食感や風味の残り方が変わる

同じ材料を濾しても、使う道具の網目の細かさや素材によって、出来上がりの舌ざわりや香りの残り方は変わってきますよ。
細かい網目や紙を使えば澄んで滑らかに、粗いざるを使えば粒感や素材感が残る、と覚えておいていただくと選びやすいと思います。
ですから、道具を選ぶときは「どこまで滑らかにしたいか」を先に決めていただくのがいちばんの近道なのですね。
ここでは、網目と素材のちがいが仕上がりにどう出るのかを、順番にお話ししていきますね。
細かい網目ほど滑らかで澄んだ仕上がりになる
茶こしのように目の細かい道具は、小さな粒や薄い膜のようなものまで受け止めてくれますから、口当たりがとても軽やかになりますよ。
たとえば茶碗蒸しやプリンの卵液には、カラザと呼ばれる白いひも状の部分や、混ざりきらなかった卵白のかたまりが残っていることがあります。
これを細かい網目で受け止めておくと、火を通したときのぶつぶつとしたむらが減って、スプーンがすっと入るような舌ざわりに近づくのですね。
スープを澄ませたいときも同じで、細かい網目を通すことで濁りのもとになる小さな浮遊物が取り除かれ、見た目まで上品になりますよ。
ただ、細かいほど落ちる速度はゆっくりになりますから、時間には少しゆとりを持って取りかかってくださいね。
それから、目が細かい道具は使ったあとに小さなかすが残りやすいので、洗うときは裏側から水を当てて押し出すようにしていただくときれいになりますよ。
粗いざるは食材の粒感をほどよく残せる
反対に、目の粗いざるは大きなかたまりだけを取り除いて、細かい繊維や粒はそのまま通してくれます。
これは物足りないということではなくて、素材の存在感を残したい料理にはむしろ向いているのですね。
たとえば、トマトソースやかぼちゃのスープなどは、少し粒が残っているほうが素材の甘みや香りを感じやすく、家庭的なあたたかさのある味わいになりますよ。
ゆで卵を裏ごしするときも、粗めの網でざっくり通せば、ほろほろとした食感が残ってサラダやサンドイッチによく合います。
粗いざるのよいところは、こんなところですね。
- 落ちるのが早く、待ち時間が短くてすむ
- 目詰まりしにくいので、量が多くても作業しやすい
- 素材の風味や繊維が残り、味に厚みが出やすい
- 洗いやすく、後片づけの負担が軽い
ただし、種や皮など口に残ると気になるものは通り抜けてしまうことがありますから、そのときは粗いざるで大きなものを取ってから、細かい網目でもう一度通す二段構えにしていただくと安心ですよ。
紙は油分や細かな成分も吸着しやすい
キッチンペーパーやコーヒーフィルターなどの紙は、網目でこし取るというより、繊維のすき間に細かいものを抱き込むような働きをします。
そのため、金属の網では通り抜けてしまう細かな粒や、うっすら浮いた油分まで受け止めてくれるのですね。
揚げ油を澄ませたいときや、だしの表面のこまかな濁りをすっきりさせたいときには、とても頼りになる存在です。
ただ、ここで覚えておいていただきたいことがひとつあります。
紙は油分や香りの成分まで吸い取ってしまうため、風味がやわらいで感じられることがあります。
鶏のスープやこんぶだしなど、うまみのある脂やコクを大切にしたい料理では、紙を通したことで少しあっさりした印象になる場合があるのですね。
ですから、澄ませたい気持ちが強いときは紙、コクを残したいときは布や金属の網、というように使い分けていただくのがおすすめですよ。
素材ごとの特徴を、簡単に並べてみますね。
| 素材 | 仕上がりの傾向 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 金属の網(細かめ) | 滑らかで、うまみは残りやすい | 卵液、なめらかなスープ |
| 金属の網(粗め) | 粒感や繊維が残る | ソース、裏ごし卵、野菜のポタージュ |
| 布(さらしなど) | 澄みつつ、コクは比較的残る | だし、豆乳、ゼリー液 |
| 紙 | とても澄むが、油分や香りは控えめに | 油の再利用、透明感を出したい液体 |
料理に必要な食感を基準に濾しすぎを避ける
ここまで読んでいただくと、細かいほうがよいのかしらと思われるかもしれませんが、実は濾しすぎてしまうと味がぼやけることもあるのですよ。
とろみや香り、口に広がる余韻は、細かな粒や繊維が支えていることが多いからなのですね。
たとえば、果物のピューレをあまりに細かく濾してしまうと、さらりとしすぎて水っぽく感じられることがあります。
野菜のスープも同じで、繊維をすべて取り除くと、飲んだあとの満足感が少し薄れてしまうことがあるのですね。
ですから、道具を決める前に「この料理はどんな口当たりだと嬉しいかしら」と一度思い浮かべてみてください。
迷ったときの目安を、こんなふうに考えていただくとわかりやすいと思いますよ。
- 透明感や口どけを大切にしたい料理は、細かい網目や紙を選ぶ
- 素材の甘みや香りを前に出したい料理は、粗いざるや布にとどめる
- 迷ったら粗いほうから試して、足りなければもう一度細かい網目を通す
この三番目が、いちばん失敗しにくい進め方かもしれませんね。
一度濾しすぎてしまうと元には戻せませんが、粗く濾したものをあとから細かく濾すことはいつでもできますから、少しずつ近づけていくつもりで大丈夫ですよ。
ご家庭の料理は、教科書どおりの滑らかさよりも、召し上がる方が心地よいと感じる食感に寄せていくことのほうが大切だと思います。
道具の目の粗さを変えるだけで、同じ材料が違う表情を見せてくれますから、そのちがいを楽しみながら選んでいただけたら嬉しいですね。
100円ショップでは用途に合う大きさと素材を確認する
100円ショップで濾し器の代用品を選ぶときは、「何を濾すのか」を先に決めてから売り場へ向かうのがいちばんの近道ですよ。
同じような見た目の道具でも、網目の細かさや素材、大きさが少しずつ違っていて、用途に合わないものを選ぶと使いにくく感じてしまうのですね。
ここでは、卵液やだし、裏ごし、水切りといった目的別に、どんな売り場のどんな道具を見ればよいのかをお伝えしていきますね。
卵液やだし用には持ち手付きの茶こしを選ぶ
茶碗蒸しやプリンの卵液、少量のだしを濾したいときは、持ち手が付いた茶こしがいちばん扱いやすいと思いますよ。
片手で持って、もう片方の手でお玉やボウルを支えられるので、熱いものを扱うときにも姿勢が安定するのですね。
売り場では、キッチン雑貨のコーナーに何種類か並んでいることが多いので、次のような点を見比べてみてください。
- 持ち手が本体にしっかり付いているか、ぐらつきがないか
- 網目が細かく、目がそろっているか
- 網の縁が丸く処理されていて、手に当たっても痛くないか
- カップやボウルの縁に引っかけられる形かどうか
縁に引っかけるフック状の部分が付いているものは、両手が空くのでとても便利なのですよ。
卵液を濾すときは、少しずつ流し入れながらスプーンの背で軽く押していくと、カラザや泡がきれいに取り除けます。
ただし、茶こしは口径が小さいので、たくさんの量を一度に濾そうとすると時間がかかってしまいますね。
二人分から四人分くらいまでの量なら、無理なく扱えると考えていただくとよいと思いますよ。
裏ごしや大量調理には丈夫な金属製ざるを選ぶ
かぼちゃやじゃがいもの裏ごし、たくさんのスープを濾すような場面では、厚みのある金属製のざるを選んでいただくと安心ですね。
裏ごしはヘラやスプーンで押しつける力が加わりますから、薄すぎるものだと網が変形してしまうことがあるのです。
手に取ったときに、縁の部分がしっかりしていて、押しても網がたわみにくいものを選んでみてくださいね。
| 用途 | 向いている大きさ | 見ておきたい点 |
|---|---|---|
| 少量の裏ごし | 手のひらほどの小ぶりなもの | 網目が細かく、縁が丈夫 |
| 数人分のスープ濾し | ボウルにのる中くらいのもの | 持ち手や引っかけ部分の有無 |
| まとめて下ごしらえ | 深さのある大きめのもの | 底の接地面が安定しているか |
また、金属製のざるは同じ売り場に「浅型」と「深型」が並んでいることがありますね。
濾した液体を受けることを考えると、深さのあるボウルと組み合わせられる浅めのざるのほうが使いやすい場面が多いように思いますよ。
水切り用には調理向けのガーゼやさらしを選ぶ
豆乳から作るおからの水切りや、水切りヨーグルト、ゆで野菜の絞りなどには、食品に使えると明記されたガーゼやさらしを選んでくださいね。
100円ショップでは、手芸コーナーや衛生用品のコーナーにも似た布地が並んでいますが、そちらは調理を想定していないものもあるのですね。
パッケージに「調理用」「食品用」といった記載があるかどうかを必ず確かめてください。
調理向けのさらしは、初めて使う前に一度水洗いしてから使うと、糊や細かな繊維が落ちて口当たりがよくなりますよ。
選ぶときの目安を、こんなふうにまとめてみましたね。
- 目が詰まりすぎず、水分がゆっくり落ちる織りのもの
- 枚数が多めに入っていて、使い分けができるもの
- 洗って繰り返し使えるか、使い切りかを確認
- 色や柄の付いていない、生成りや白のもの
柄物の布は、水分に長く触れると色が移ることがありますから、食品に使うなら無地を選ばれるほうが気持ちよく使えると思いますよ。
購入前に耐熱温度・網目・ボウルとのサイズを確認する
最後に、どの道具を選ぶ場合でも、レジに向かう前に見ていただきたいのが耐熱温度・網目の細かさ・お持ちのボウルとの相性の三つですね。
この三つがそろっていれば、家に帰ってから「思っていたのと違ったわ」と感じることがぐんと減りますよ。
| 確認する項目 | どこを見るか | 合わないと起こりやすいこと |
|---|---|---|
| 耐熱温度 | パッケージ裏の表示 | 熱い液体で変形してしまう |
| 網目の細かさ | 光にかざして目のつまり具合を見る | 濾したい粒が通り抜ける |
| 大きさ | 直径の表示と自宅のボウルの寸法 | ざるが沈む、液体があふれる |
特に見落としやすいのが、三つめのサイズなのですね。
お店では大きさの感覚がつかみにくいので、よく使うボウルの直径を先にはかって、メモしてから出かけると失敗が少なくなりますよ。
ざるの直径がボウルより少し大きいと、縁に引っかかって安定しますし、濾した液体に底が浸からずにすみます。
また、樹脂製の道具は軽くて扱いやすい反面、表示されている温度を超えると形が変わってしまうことがありますから、熱いものに使う予定があるなら表示を必ず見てくださいね。
網目については、パッケージ越しでもうっすら透かして見ると、目の細かさのおおよその見当がつきます。
迷ったときは、細かいものと粗いものを一つずつそろえておくと、料理に合わせて使い分けができて重宝しますよ。
手に取りやすい価格だからこそ、目的に合ったものを選んで、長く気持ちよく使っていただけたら嬉しいですね。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 濾し器は茶こし・ざる・粉ふるい・キッチンペーパー・コーヒーフィルター・ガーゼ・清潔な布の7つで代用できる
- 代用品選びは「網目の細かさ」と「素材の強さ」の2つを目安にすると迷いにくい
- なめらかに仕上げたいときは、一度に入れず少量ずつ分けて濾すのがこつ
- 道具はボウルにしっかり固定してから食材を流し入れると安定する
- 熱い液体や揚げ油を濾すときは、ステンレスなどの金属製の道具を優先する
- 紙や布の代用品は、支えを作ることと清潔なものを使うことの二点を守る
- 食材の量に合った大きさの道具を選ぶと、時間も洗い物も抑えられる
- 網目が細かいほど澄んでなめらかに、粗いほど粒感や素材感が残る
- 100円ショップでは「何を濾すのか」を決めてから売り場を選ぶとよい
濾し器がないからと、作りたかった料理をあきらめてしまうのは少しもったいないことですね。
ご紹介した道具は、どれもすでにお手元にあるものばかりだと思います。
網目の細かさと素材の強さ、そして少しずつ濾すという進め方さえ覚えておいていただければ、専用の道具に負けないくらいきれいな仕上がりになりますよ。
はじめは思うようにいかない日もあるかもしれませんが、それも回数を重ねるうちに、自分に合ったやり方が自然と見つかっていくものです。
まずは茶こしやざるなど、いちばん手に取りやすいものからで大丈夫ですよ。
なめらかなプリンや澄んだだしができあがったときのうれしさを、ぜひ味わってみてくださいね。
今日の一皿が、いつもより少しだけ特別なものになりますように。


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